2月の近海潜水報告
サタヒップ・ブレーメン・レック
1月のチャン島に続き、2月の近海潜水もマイタマダーをめざして企画されました。
サタヒップ沖のブレーメンレック、別名、第3の沈船、幻の沈船、最後の沈船、謎の沈船、魔の沈船、色々呼ばれています。
25日土曜日、集合はサメサン桟橋8時半。船はレイダーバーズ。
潜水隊4名以外には、ラプラオのタイ人ショップ一組だけだと聞いて安心しましたが、例によって、時間無頓着にダラダラ集合したのを数えて見ると、21名も連れて来ていてガッカリです。
まあ、4人しかいない、こちらの希望のポイントに付き合ってもらうので、笑顔で挨拶です。
潜水隊のスティッカーを配って、友好の親善外交。サワディーは日本語で何、と始まりました。
レイダイバーズの船は遅い。小さい木造釣り船に抜かれながら走ります。
サメサンから西に走って、サタヒップ軍港を北西に回り込み、そしてサタヒップと沖に横たわる大きいクラム島との間に、北に進路を取って向かいます。
所要時間は1時間10分でした。他の船なら15分位でしょうから、割と近いポイントです。
到着してからは、船長があちこちに携帯を掛けまくり、約20分で、目的のブイを見つけました。
当日は大潮で、時間も引き潮時にあたり、激しく流れています。
ブイも、流れの為に海面下に沈んでいるので、船から浮き輪のラインを結んで流します。
潜行開始。
幻の沈船は、船首を南西に向けて横たわっていました。
ラインは船尾部分の上甲板に繋がっています。
船は白い砂に埋まり、底の部分で深度は24m。しかし、船の真ん中部分は朽ち果てており、船尾と船首部分だけが、元の位置に残っている形です。
視界は約8m。上出来です。サメサン基準では、視界10mでクリスタルクリアですから,本日は透明ガラスです。4名の端っこは見えません。
船尾も、外枠以外は朽ちており、船内に入り込むというより、鉄板の周りを回る感じです。
魚の姿が余り見えません。船内の底に当る部分から、5mくらいはあるハリセンボンが出て来ました。こんなに大きいのは初めて見ました。船より大きい感じです。
魚名データベースが遂に30種類を越えた、さすがインストラクター、ガンガゼ隊員によると、ヒトヅラハリセンボンだそうです。他に居たのは、小さい箱河豚1匹。
船首の方にも回ろうとしましたが、人食い巨大ハリセンボンに興奮した、イザリウオ隊員のエアーがなくなったので、そこで浮上です。
上がろうとしたら、ロープを伝って、タイ人グループがガラガラ降りてきました。
なんで今頃から潜り始めるんですか、と泡と一緒に文句を吹き出しましたが、そこは親善外交、どうぞ、楽しんで下さいと、皆が降りるのを待っていたら、エアーのないイザリウオ隊員は死にかけています。
潜水24分。素晴らしい沈船ダイブでした。次ぎは、船首部分も探検せねばなりません。
2本目は、近くの小さい島の回り。珊瑚の根が、島に添って続き、北の端から潜行して、深度約8mをドリフトして、南の端までの40分。魚も沢山居て美しいポイントです。
しかし、ここでも、我らの親善外交の友、タイ人グループは、ヘリコプターから海面に撒き散らしたように、周囲の東西南北あちこちに、テンデンバラバラに浮上して来て、皆を拾って(皆をちゃんと拾ったのか自信がなさそうでしたが)、サメサン桟橋に帰りついたのは5時35分。
もう少し要領よく潜って頂ければ、3時には充分戻って来れるのですが、親善外交も疲れます。
しかし、幻の沈船を楽しみましたので、許して上げましょう。
当日経費1300バーツ。
尚、当日の昼食は、船足の遅さを割引しても、世界最高でした。
白いご飯、海老いり野菜炒め、麺と野菜炒め、豆腐と卵の煮付け、竹輪と竹の子のカレー煮、鶏手羽のから揚げ、玉子焼き。以前パタヤで乗ったロシア人の船で、スパゲティーミートソースとパン、と言う非常に簡素な料理が出て、感銘を受けた記憶がありますが、この6品料理も素晴らしい。
ついでに、船上デッキには、朝から、豚肉串焼き、バナナの葉巻きのもち米ダンゴ、バナナ、ファラン、みかん、袋入りスナック、が机一杯並べられています。隣に停泊しているバンザイ2号にも、少し見習うように、伝えなければなりません。
羊皮紙に描かれた幻の沈船